技能実習制度は2027年4月1日に育成就労制度へ切り替わりますが、一定の経過措置に該当すれば、2027年4月1日以降に新しく技能実習1号を始めることは可能です。
条件は、2027年3月31日までに1号技能実習計画の認定申請を行い、原則として2027年6月30日までに技能実習を開始することです。
ただし、外国人技能実習機構は、審査や入国手続にかかる時間を考慮して、1号技能実習計画の認定申請を2027年2月までに行うよう案内しています。
そのため「2027年3月31日まで申請できるから、3月に準備を始めればよい」と考えないことが重要です。
2027年4月1日で技能実習が一斉に終わるわけではない
育成就労制度の施行日は2027年4月1日です。
同日から技能実習制度は新規制度としては育成就労へ切り替わりますが、すでに技能実習を行っている人や、施行前に一定の手続を進めた人には経過措置があります。
2027年4月1日以降の扱いを大きく分けると、次のようになります。
| 状況 | 2027年4月以降の技能実習 |
|---|---|
| 2027年4月1日時点ですでに技能実習中 | 原則継続できる |
| 2027年3月31日までに1号計画を申請し、6月30日までに開始 | 新たに1号技能実習を始められる |
| 2027年4月1日以降に新しく1号計画を申請 | できない |
| 2027年7月1日以降に新規で実習開始予定 | 原則として育成就労を検討 |
つまり、制度開始日である4月1日だけを見るのではなく、技能実習計画をいつ申請したか、実際にいつ技能実習を開始するかの2つを見る必要があります。
申請期限は3月31日、実習開始は6月30日まで
経過措置で新たに1号技能実習を始めるためのポイントは、2つの日付です。
1つ目が2027年3月31日です。
この日までに1号技能実習計画の認定申請をしている必要があります。
2つ目が2027年6月30日です。
その申請した計画に基づき、原則としてこの日までに技能実習を開始する必要があります。
例えば、
2027年3月20日に技能実習計画を申請 → 2027年6月に入国・技能実習開始
であれば、経過措置の対象になる可能性があります。
一方、
2027年4月10日に新しく技能実習計画を申請
という進め方はできません。
育成就労制度施行後は、新しい技能実習計画の申請そのものができなくなります。
「3月31日まで出せば間に合う」とは限らない
制度上、1号技能実習計画の認定申請は2027年3月31日まで可能です。
しかし、外国人技能実習機構は2027年2月までの申請を求めています。
理由は、技能実習計画の審査だけで終わらないからです。
計画認定後には、在留資格認定証明書、査証、入国などの手続も必要です。3月以降に技能実習計画を申請すると、2027年6月30日までに上陸許可を受けられない可能性があると機構が明示しています。
したがって、企業側の実務上の期限は、
「3月31日に申請すればよい」ではなく、「できれば2月までに技能実習計画を申請できる状態を作る」
と考えた方が安全です。
2027年4月以降に始めた1号から2号へ進める
経過措置により、2027年6月30日までに1号技能実習を開始した人は、その後、条件を満たして技能実習2号へ進むことができます。
出入国在留管理庁も、2027年4月1日時点で技能実習1号を行っている人だけでなく、経過措置によって施行後に1号技能実習を始める人について、2号まで技能実習を継続できる仕組みを示しています。
つまり、
2027年6月に1号開始 → 約1年後に2号へ移行 → 2号を修了
という流れは可能です。
「2027年4月を過ぎたら1年間しか技能実習できない」ということではありません。
3号まで進めるかは別に確認する
1号から2号へ進めることと、3号まで進めることは別です。
技能実習3号へ移行できるのは、原則として2027年4月1日時点ですでに技能実習2号を1年以上行っている人です。
そのため、経過措置を使って2027年4月以降に新しく技能実習1号を始める外国人は、この条件を満たしません。
外国人技能実習機構も、2025年4月2日以降に新たに技能実習生として入国した人は、技能実習3号へ移行できない可能性があると注意喚起しています。
これから技能実習を始める企業は、従来の「1号→2号→3号で最長5年」という前提で受入れ計画を作らないことが重要です。
2号修了後は特定技能1号へ移れる場合がある
技能実習3号へ進めなくても、技能実習2号を良好に修了した後、要件を満たせば特定技能1号へ移行できます。
育成就労制度が始まった後も、当分の間は、技能実習2号を良好に修了し、技能実習で行った職種・作業と特定技能で従事する業務に関連性が認められれば、特定技能1号への移行が可能です。
したがって、2027年直前に技能実習生を新規で受け入れる場合は、
1号 → 2号 → 特定技能1号
という流れも含めて考える必要があります。
これから受け入れるなら技能実習と育成就労のどちらにする?
2026年9月時点では、技能実習の経過措置を利用して2027年前半に技能実習1号を開始する方法と、2027年4月以降に育成就労として受け入れる方法の両方が存在します。
ただし、技能実習を選ぶ場合には期限があります。
技能実習で進めるのであれば、2027年3月31日までに計画認定申請が必要で、実務上は外国人技能実習機構が案内する2027年2月までの申請を目安に準備する必要があります。
一方、2027年7月以降の受入れになる場合や、これから募集・選考を始めて2月までの技能実習計画申請が難しい場合は、育成就労での受入れを検討する方が制度の時間軸に合います。
育成就労計画の施行日前申請は2026年9月1日からすでに始まっています。
まず監理団体へ「2月までに申請できるか」を確認する
2027年春に技能実習生を新規受入れしたい企業が最初に確認するのは、「3月31日までなら大丈夫か」ではありません。
現在利用している監理団体、または受入れを相談している監理団体へ、
「この候補者について、2027年2月までに1号技能実習計画を申請できるか」
を確認します。
そのうえで、
- 候補者の選考が終わっているか
- 雇用条件が決まっているか
- 技能実習計画を作成できるか
- 認定後の在留・査証手続を6月30日までに終えられる見込みがあるか
を確認します。
2月までの申請が難しいなら、3月末ぎりぎりの申請に賭けるのではなく、育成就労での受入れへ切り替えることも検討します。
2027年4月以降も技能実習を始めること自体はできますが、「3月31日までに計画申請」「6月30日までに開始」という経過措置の中だけです。
この2つの日付を超える新規受入れは、育成就労を前提に準備することになります。
出典
出入国在留管理庁|育成就労制度Q&A 公式ページ
外国人技能実習機構|技能実習計画についてのご案内 公式資料
外国人技能実習機構|育成就労制度について 公式ページ
出入国在留管理庁|育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置について 公式資料
出入国在留管理庁|育成就労制度に係る施行日前申請 公式ページ