育成就労の監理支援機関を変更できる?

育成就労では、受入れ途中でも監理支援機関を変更できます。

ただし、会社が新しい監理支援機関と契約を結び直すだけでは変更できません。監理支援機関の交代は、認定済みの育成就労計画の「通常の変更」に当たり、事前に育成就労計画の変更認定を受ける必要があります。オティット

また、監理支援機関を変更しても、受入れ企業そのものが変わらなければ外国人の「転籍」とは別です。

2026年9月現在、育成就労制度の開始は2027年4月1日です。以下では、制度開始後に同じ会社で育成就労を続けながら監理支援機関を変更する場合を中心に整理します。法務省

監理支援機関は途中で交代できる

育成就労の運用要領では、監理支援機関を「変更(交代)」する場合、育成就労計画の変更認定が必要と明記されています。

たとえば、

監理支援費を見直したい、対応体制が合わない、自社の今後の受入れ方針に別の機関のほうが合う、現在の監理支援機関が許可を継続できなくなった、といった場合に監理支援機関を変更することが考えられます。

制度上、変更の仕組み自体は用意されています。監理支援機関の許可取消しなど、やむを得ない場合だけに限定された手続ではありません。オティット

ただし、「今日から別の監理支援機関にする」という変更はできません。

新しい監理支援機関による育成就労計画の作成指導を受け、変更認定を受けてから切り替える必要があります。

変更は「届出」ではなく事前の変更認定

育成就労計画には、どの監理支援機関から監理支援を受けるかが組み込まれています。

そのため監理支援機関の交代は、住所変更などの細かな変更とは扱いが違います。

変更内容手続
監理支援機関そのものをA機関からB機関へ変更育成就労計画の変更認定が必要
同じ監理支援機関が法人名だけ変更原則として育成就労計画の変更認定・届出は不要
取次送出機関の変更軽微変更の届出となる場合あり

監理支援機関の交代については、変更後に届ければよいのではなく、原則として変更前に認定を受けます。オティット

育成就労計画変更認定申請書として、省令様式第8号も用意されています。オティット

新しい監理支援機関を先に決める必要がある

監理支援機関を変更する場合は、現在の機関との契約を先に切ってから新しい機関を探すのではなく、まず変更先を確保するのが基本です。

変更認定では、新しい監理支援機関から育成就労計画の作成指導を受ける必要があります。

運用要領上、監理支援機関を変更するときの資料として、新しい監理支援機関と受入れ企業との監理支援に係る契約書またはこれに代わる書類の写しなどが求められます。入国前・入国後講習を担当する機関も変わる場合は、その予定表も関係します。オティット

つまり順番は、概ね次のようになります。

順番すること
1変更先となる監理支援機関を探す
2自社の分野・業務区分を扱えるか確認する
3新しい監理支援契約の内容を確認する
4新しい監理支援機関から計画作成の指導を受ける
5育成就労計画の変更認定を申請する
6変更認定後に監理支援機関を切り替える

先に現在の契約だけを終了させ、監理支援を受けない空白期間を作る進め方は避けます。

変更先ならどの監理支援機関でもよいわけではない

新しい監理支援機関にも条件があります。

まず、当然ながら育成就労制度の監理支援機関として許可を受けている必要があります。

さらに、その監理支援機関が自社で外国人を受け入れている育成就労産業分野・業務区分を取り扱えることを確認します。

介護、工業製品製造業、自動車整備、物流倉庫、漁業など、分野によっては監理支援機関にも追加の基準があります。法務省

また、協同組合や商工会議所など監理支援機関の法人形態によっては、受入れ企業がその組合・団体の組合員または会員であることが必要です。法務省

「料金が安い監理支援機関を見つけたから変更する」と決める前に、自社を実際に監理できる機関なのかを確認します。

外国人の勤務先まで変わるわけではない

監理支援機関の変更と、育成就労外国人の転籍は別の手続です。

たとえば、

現在の受入れ企業:A社
現在の監理支援機関:X組合

という状態から、

受入れ企業:A社のまま
監理支援機関:Y組合へ変更

するのであれば、外国人の雇用先そのものは変わりません。

実際、監理支援機関が許可取消しを受けた場合についても、公式運用要領では、外国人が同じ受入れ企業で引き続き育成就労を行うには、受入れ企業が別の監理支援機関へ変更する必要があるとされています。法務省

一方、外国人がA社からB社へ勤務先を変更する場合は「育成就労実施者の変更」、つまり転籍の手続が別に必要です。

「監理支援機関を変える=外国人も転職させなければならない」わけではありません。

今の監理支援機関の同意がないと変更できない?

育成就労制度の運用要領では、育成就労実施者、監理支援機関、取次送出機関の少なくとも一つを変更するとき、関係者全員の事前同意を必須とはしていません。

一方で、後から紛争にならないよう、外国人を含む関係者間で事前に同意しておくことが望ましいとされています。法務省

そのため、現在の監理支援機関が「変更を認めない」と言えば制度上絶対に変更できない、という仕組みではありません。

ただし、制度上変更できることと、現在締結している監理支援契約をどう終了するかは別問題です。

契約書に解約予告期間、未精算費用、送出機関関係費用などについて定めがあれば、その内容を確認する必要があります。

運用要領でも、契約期間途中の解除を想定し、契約締結時に解除時の費用精算方法をあらかじめ定めておくことが望ましいとされています。オティット

解約金が全国一律で決まっているわけではない

監理支援機関を途中変更する場合に、「国へ一律○万円の解約金を払う」という制度ではありません。

問題になるのは、現在の監理支援契約の内容です。

たとえば、すでに支払った初期費用、送出管理費、講習費、渡航関係費、日本語教育費などについて、途中解約した場合にどう精算するのかを確認します。

新しい監理支援機関にも費用が発生するため、月額監理支援費だけでなく、

現在の機関を終了する費用+新しい機関へ移る費用+変更後の月額費用

まで出して比較する必要があります。

監理支援機関が許可を失った場合は変更が必要になる

会社側が変更したい場合だけではありません。

現在の監理支援機関が許可の取消しを受けたり、許可の更新を受けられなかったりした場合、その監理支援機関の下では育成就労を継続できません。

同じ会社で外国人に働き続けてもらう場合は、新しい監理支援機関へ変更し、変更認定を受ける必要があります。法務省

許可更新を受けられなかった監理支援機関には、受入れ企業がほかの監理支援機関へ円滑に変更できるよう協力することも求められています。オティット

この場合は、料金比較をしてゆっくり選ぶ通常の変更とは違い、育成就労を継続できる体制を早く確保する必要があります。

送出機関も一緒に変わるとは限らない

監理支援機関を変更すると、海外の送出機関も必ず変更しなければならないわけではありません。

新しい監理支援機関が現在の送出機関を利用できるのであれば、送出機関を維持できる場合があります。

反対に、新しい監理支援機関が現在の送出機関と取次契約をしていないなどの事情で、送出機関まで変更する場合もあります。

送出機関も変更する場合は、外国政府認定送出機関であるか、新しい監理支援機関がその送出機関を取り扱える状態かなども確認が必要です。

監理支援機関だけを比較して決めず、「現在の外国人の送出国・送出機関をそのまま引き継げるか」も変更前に聞いておくと手戻りを防ぎやすくなります。

変更するなら新しい機関へ先に確認すること

監理支援機関を変えたいと思ったときは、最初に現在の契約を解約するのではなく、候補となる新しい監理支援機関へ相談します。

その際は、自社の育成就労産業分野・業務区分、現在の外国人数、国籍、利用している送出機関、育成就労開始時期、現在の育成計画を伝えます。

新しい機関が監理を引き受けられることを確認したうえで、現在の監理支援契約の解約条件と費用を確認し、新しい監理支援機関の指導を受けて変更認定の準備を進めます。

つまり、

「今の監理支援機関を辞める」ことから始めるのではなく、「次の監理支援機関が引き継げるか」を先に確認する

のが重要です。

まとめ

育成就労の監理支援機関は、受入れ途中でも変更できます。

ただし、単なる契約先変更ではなく、認定済みの育成就労計画に関わる変更です。

新しい監理支援機関による計画作成の指導を受け、原則として変更前に育成就労計画の変更認定を受けます。オティット

また、監理支援機関だけを変更し、受入れ企業が変わらなければ、外国人の転籍とは別です。

変更を検討する場合は、まず候補となる監理支援機関へ「現在の外国人・分野・送出機関をそのまま引き継げるか」を確認し、その後に現在の契約の解約条件と変更認定の手続を整理すると進めやすくなります。

出典

出入国在留管理庁|育成就労制度 運用要領 オティット

出入国在留管理庁|育成就労制度Q&A 法務省

外国人技能実習機構|育成就労制度様式一覧 オティット

出入国在留管理庁|第5章 監理支援機関の許可等 法務省